ビニールクロス(壁紙)に塗る場合

うちはビニールクロスでなくて、紙(布)の壁紙だけど、塗れるの?

はい、塗れます。その上から【仕上げ用】を塗って大丈夫です。

解 説

壁紙=ビニールクロス(塩ビでできています)と思って、問題ありません。表面が紙製や布製に見えても、99%ビニールクロスです※。元々ビニールクロスとは、塩ビシートに紙や布を貼り合わせたものです。こうしたビニールクロスの上から、うま~くヌレール(仕上げ用)を塗っても、問題ありません。※大変稀ですが、塩ビでなく、紙だけでできた壁紙もあります。それには塗れません。

ビニールクロスの中で塗れないものはありますか?

はい、あります。写真プリントされているクロスや、落書きしてもすぐ消せるような 特殊クロスなどは施工に不適です。

解 説

撥水性・耐水性にすぐれたビニールクロスは、うま~くヌレールが接着不良を起こす場合があります。具体的には、以下のようなものです。 ●写真プリントされたビニールクロス(森や滝、空といった風景写真やキャラクター等をプリントしてあるもの) ●最近発売されている、落書きしてもすぐ消せるクロスのような、特殊クロス

ビニールクロスの上から塗って、クロスの凹凸が透けて見えない?

説明書にしたがって施工すれば、透けて見えることはありません。

ビニールクロスの端が剥がれています。そのまま上から塗っていいの?

剥がれている部分をカットしてから、塗り始めてください。

解 説

剥がれた部分はカットして、残った端の部分をタッカー針やビスで止めてください。うま~くヌレールはアルカリ性ですので、タッカー針やビスの上に塗っても錆びません。

web_UK_QandA_001_ol_09
ビニールクロスを剥がしてから、塗ることもできるの?

はい、できます。 やり方を【解説】で詳しくお伝えします。

解 説

ビニールクロスは通常、表紙と裏紙の2層構造になっております。表に見えているのが表紙ですが、これは比較的簡単に剥がすことができます。端をつまんでビリビリと剥がしてください。問題はその下にある、半透明の裏紙です。これも必ず剥がしてください。この裏紙は表紙と違い、剥がすのが大変です。以下の手順で、裏紙を剥がしましょう。

  1. まず、クロスの表紙を全面剥がしてください。そうすると、半透明の裏紙がでてきます。
  2. その裏紙全面を、軽く絞った濡れ雑巾で拭いて、裏紙全面に水を含ませてください。水が少々滴る程度まで裏紙を濡らして結構です。
  3. そうすると、水を含んだ裏紙の所々が、ぷくっと膨らんで剥がれてきます。そうしましたら、裏紙全面を、スクレーパー(写真)で剥がしましょう。

その際注意すべきは、2点です。

第一に、下にある石膏ボードや合板をできるだけ傷めないようにすることです。石膏ボードは黄色い紙までは剥がしても問題ありませんが、その下の灰色の紙までは剥がさないでください。 第二に、裏紙はできるだけ剥がしましょう。しかし、剥がれない部分については、無理して剥がさないで結構です。 上記①~③で裏紙を剥がし終わった面に、うま~くヌレール(仕上げ用)を塗ってください。ビニールクロスは通気性がありません。ビニールクロスを剥がすのは少々大変ですが、剥がすことで、より通気性のある漆喰空間になります。

web_UK_QandA_001_ol_13
天井のビニールクロスは、なぜ剥がさないといけないの?

壁と違い、重力がかかっています。 万全を期すため、天井はビニールクロスを剥がしてから施工してください。

解 説

天井のビニールクロスは、必ず剥がしてから、うま~くヌレールを塗ってください(ビニールクロスの剥がし方は、前項「ビニールクロスを剥がしてから、塗ることもできるの?」をご参照ください)。壁と違い、天井には重力という負荷がかかります。万が一、何らかの事情で部分的に剥がれが発生した場合、重力によってその剥離は広がり、最終的には全面的に剥がれる可能性が考えられます。そうした万が一を想定して、天井のビニールクロスは剥がすことを徹底しておりますことを、ご理解ください。

ビニールクロスの上に塗るとき、他に気をつけなくてはいけないことは?

ビニールクロスは他の下地に比べて、乾燥が遅くなります。 施工中、施工後は、窓開けや扇風機を回すなど通風をお願いします。

解 説

ビニールクロスは本来、水分を吸収しにくい素材ですので、他の下地である古壁や石膏ボード、合板などと比較した場合、乾燥が遅くなります。乾燥を促すため、室内の通風に心がけ、窓開けや扇風機を回すなどおこなってください。